決算変更届は、毎年の決算を迎えた日から4ヶ月以内に提出が必要

会社として建設業を営んでいる場合も、個人事業として建設業を営んでいる場合にも、毎年の決算月を迎えたら管轄の税務署に対して確定申告をされているものと思います。

通常、この税務署への確定申告は決算の日より2ヶ月以内とされていますので、滞りなくされていることでしょう。

これに加えて、建設業許可を受けている建設業者においては決算を迎えた日より4ヶ月以内に建設業許可を受けた管轄行政庁に対して決算変更届を提出しなければなりません。

税務署に提出する確定申告が終わってから提出することになりますので、税務署の確定申告期限から2ヶ月以内という覚え方の方がしっくり来るかもしれません。

決算変更届は俗称であって、正式には事業年度終了報告書などと呼ばれますが、専門家も含めそのほとんどが決算変更届の名で呼んでおりますので、本サイトでもそのように呼ぶことに致します。

税務署に提出する決算報告書はそのまま使用することができない!?

決算変更届や建設業許可申請の際に添付する決算報告書(財務諸表)は、税務署などに提出する決算報告書とイコールではありません。

もっとも、決算変更届の書面を作成する際には、決算報告書をベースに作ることになるので全く違うとも言い難いですし、そもそもが同一の会社の決算なので同じでなければおかしいのですが、要は根拠となる振り分け方が少々違って建設業用の経理方法で、仕分けなくてはなりません。

税務署に提出したものをそのまま添付すれば受理されるのであれば楽チンなのですが、そうでない所がまた手間ですが、覚えておきましょう。

決算変更届に添付する工事経歴書について

決算変更届を作成する際には該当する決算期内に竣工した請負工事の工事経歴書というものを作らなくてはなりません。

これが決算関連書面と同様に結構な手間を要するわけなのですが、許可を受けている業種毎に決算期内にどのような内容の工事を請負ったかを一覧にまとめたものです。

この一覧を作成するためには、まず請負工事を許可業種毎に分類するという作業が必要となりますが、皆さんが苦労されるのは実際に請負った工事がどの業種に該当するのかわからないといったもの。

そもそもどの業種に該当するかもわからずに工事を請負っているのだとすれば、許可を受けていない業種での大型工事を受注してしまう可能性もありますから、結構、大事です。

重大な法令違反にもなりかねませんので、十分に理解を深めていただきたいところではありますが、目先ではそんなことも言ってられません。

困りました・・。

ただ、そんな時は一番楽な方法で作成されれば十分です。

分類作業自体を免れることが難しいですが、簡略化や分類する量を減らすことはできる場合があります。

工事経歴書には2パターンの作成方法がありますが、訳がわからないといった場合には請負った全工事の5割つまりは半分を請負工事金額の大きい順に並べてください。

この作業ができればひとまずは作成できます。

しかし、経営事項審査を受ける必要がある場合には、この方法では認められません。

工事経歴書の分類方法はコチラを確認してください。

工事経歴書作成方法 ※ 群馬県ホームページより拝借

経営事項審査を受ける場合の決算変更届の作成にはいくつか注意点がある

公共工事を請負う会社や、計画のある会社においては経営事項審査というものを受けて最終的には評点を取ることになりますが、この経営事項審査を受ける場合にはいくつか気を付けなくてはならない点があります。

  • 会計は税抜処理が絶対
  • 工事経歴書の作成方法は元請下請それぞれ7割方式

会計処理は税抜処理にて行いましょう

会社設立初年度など一定の事由がある場合を除いては、経営事項審査を受ける場合の決算変更届は税抜処理をしたものを作成しなくてはなりません。

現状の決算書の作成方法が税込によるものである場合には担当する税理士などに連絡し、すぐに税抜に修正したものを作ってもらいましょう。

ちなみに経営事項審査を受ける場合には通常、直近3ヶ年度分の決算書面等が必要となります。

従いまして、税抜処理への修正を依頼する際には直近のものだけではなく、過去のものについても修正してもらう必要があります。

また、今後も継続して受審を予定している場合には、永年的に税抜処理による決算にしていただくようお願いをしておくと良いかと思います。

工事経歴書の作成方法は元請下請それぞれ7割方式

工事経歴書の作成が困難であれば請負った全工事の5割を請負金額順に並べればそれで良い旨は前述の通りです。

しかし、経営事項審査を受ける場合にはこの方法が認められていません。

元請、下請の工事を分けた上で分類しその7割の工事を目安にそれぞれ記載をしなくてはなりません。

その他、細かな書き方はありますが、全部を説明することが困難なため、再度、以下もご参照ください。

工事経歴書の分類方法はコチラを確認してください。

工事経歴書作成方法 ※ 群馬県ホームページより拝借

決算変更届についてのアドバイス

決算変更届は毎年、提出が義務付けられておりますから、書類の作成に不慣れな会社さんにとっては大きな負担となるものと思います。

しかしながら税務署への確定申告と同様に、建設業許可業者として運営していくためには義務であり、これを怠ることで今後の許可の維持(更新が受けられないなど)に影響が出ることになります。

とは言え、面倒な作業ですから締切のギリギリとなってしまうことは必然でしょうか。

なかなか期間に余裕をもって作成ができない決算変更届ですから、余計なことを考える余裕はないと思いますが、建設業許可業者として運営していくのであれば是非とも、決算処理は税抜、工事経歴書の作成は元請下請7割方式による作成を今から徹底していただければと思います。

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